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  • 2016.05.03 Tuesday
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評価:
辻 仁成
文藝春秋
¥ 480
(2000-08)
Amazonランキング: 33776位
Amazonおすすめ度:

 筑後川下流の島に生まれた稔は発明好きで戦前は刀鍛冶、戦中は鉄砲修理、戦後は海苔の加工機製造などをしてきたが、戦死した兵隊や亡き初恋の人、友達、家族の魂の癒しのため島中の墓の骨を集めて白仏を造ろうと思い立つ。明治大正昭和を生きた祖父を描く芥川賞受賞第一作。1999年仏・フェミナ賞外国文学賞を日本人初受賞。
(「BOOK」データベースより)



福岡県大川市筑後川の最下流に大野島という島(厳密には北半分が大野島、南半分が大詫間(佐賀県))がある。島の真ん中あたりに勝楽寺という寺があり、実際に島民の骨で作った白い骨仏が安置されている。丸い優しい姿をしており、元は立像の予定であったが、どういった経緯か坐像になったという。






著者の辻氏の祖父・今村豊氏をモデルに書かれた作品で、生死をテーマに主人公鉄砲屋江口稔の生涯が描かれている。
物語は、まさに主人公・稔の死の場面で始まり、近親者の死、初恋の人の死、親友たちの死などを経て、稔の目を、思考を(あるいは清美の口を)通して辻氏自身の生死観が綴られているように思う。
三島由紀夫は何十回も読んだという辻氏だが、この作品に表れている生死観は殊に三島の遺作『豊饒の海』を連想させる。命はどこから来たのか、死んだ者はどこへ行くのか。ふとしたときに過る懐かしい感じは何なのか。

死を意識しだした幼少期から戦時下を生きた青年期・壮年期・・晩年、骨仏を作るまで順を追って物語は進んでいく。
祖父をモデルに、とはいえ、細かいエピソードはオリジナルで描かれており、眼前にその情景が迫ってくるような力強い筆運びで、ぐいぐいと引き込まれていく。
台詞の大川弁もとてもリアルで、この「白仏」の世界観を大きく作り上げている。(九州にお住まいの方ならわかると思いますが、有明海周辺の方言が無理のない程度にうまく書かれているのです)
また、死を取り上げた作品であるが、決して重苦しくなく、淡々としているが、心に残るものがある。

正直(失礼とは存じますが)、驚くほど「正統派」な小説。
オシャレではないかもしれないが、辻文学を読む人には是非手にとってもらいたい作品である。

  • 2016.05.03 Tuesday
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  • 17:23
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