一定期間更新がないため広告を表示しています

  • 2016.05.03 Tuesday
  • -
  • -
  • -
  • by スポンサードリンク

評価:
辻 仁成
集英社
¥ 560
(2004-05)
Amazonランキング: 67650位
Amazonおすすめ度:

 ★★★☆☆  75点


恋人との穏やかな日常に、突然生じた疑惑。彼女は自分を裏切り、あの男と愛しあっているのではないだろうか?身を苛む嫉妬。崩壊して行く関係。それでもなお彼女の放つ香りは理性を奪い、「私」を虜にする。そして、白い花の香りをまとったもうひとりの女―。欲望?それとも愛なのか?「香り」を通奏低音に、愛についての張りつめた問いが続く、狂おしく、ピュアな恋愛小説。

(「BOOK」データベースより)



恋人への疑念、不確かな憶測に翻弄され嫉妬する主人公。
あの男―尊敬する同窓の先輩―政野英二、その妻政野早希、私の恋人ミノリと私。
均衡が崩れ、4人の歪んだ感情の空間を香りと音楽を交えながら絶妙に描いている。
主人公「私」目線で展開されるため、相手の心理が読めずに、自然と読者も探りながら読まなければならないのも面白い。


各節ごとにキーになる文章が挿入されており、それらが考えるきっかけを与えてくれる。

誤解と勘違いについて。
物事をうっかり間違って思い込んでしまうことからはじまる愛がある。一方意味を取り違えたり、間違った解釈をすることではじまる愛もある。どちらも偶然が深く関与しよく似ているように思えるが、本質で少し異なる。しかし人間はこの二つの作用によって、いつも人生を左右されてしまう、愛や恋を失うのもまたこの二人の妖精の悪戯による場合が多い。



愛と嫉妬はつねに危険な関係にある。嫉妬のない愛などあるのだろうか。人間は嫉妬する動物である。どんな聖人君子も嫉妬をする。子供から老人までみんな嫉妬する生き物なのである。


大人の女が膝を出すとき、男は用心しなければならない。熟した女が、普段隠しているものを見せようとする時、そこには既に大人の駆け引きが生まれている。駆け引きのできない十代の少女のあからさまなひざ小僧とは違い、そこには弁えた(わきまえた)熟女のプライドの高いエロスが横たわっている。



ぐっと心を掴む言葉を紡ぎ出すことに関して、これほど力を持った作家をあまり知らない。
単純に心に響く言葉。
多くの人がこれらの言葉の前に足をとめるだろうから、敢えて今回は割愛させていただくが。
※但し、何度も同じ表現を使う癖があるので(この作品で言えば、「ここではないどこか」等)、この作品については★★★☆☆(75点)と少し低めで(笑)

心理だけでなく、情景や空間、温度の描写がとても良い。
個人的に好きなシーンは、富良野へ行く場面だが、地に足が着いていないようなふわふわした期待感と薄っすらとした不安のようなものが感じられて、読んでいるこちらまでそわそわしてくる。

嫉妬という感情は最も醜いとよく言われるが、いったいどういうところから湧き出てくるものなのだろうか。
自分に対する自信のなさという人もいれば、孤独に対する恐怖という人、羨望と取る人もいる。
また、嫉妬の対象はどこなのか。
この作品は、「嫉妬」という題材を描いていながら、後味悪くなくさらりと読めてしまう。
これもこの作家の持ち味ではないだろうか。

  • 2016.05.03 Tuesday
  • -
  • 17:24
  • -
  • -
  • by スポンサードリンク

Comment





   
この記事のトラックバックURL : トラックバック機能は終了しました。

PR

Calendar

S M T W T F S
     12
3456789
10111213141516
17181920212223
24252627282930
31      
<< May 2020 >>

Einkaufen★☆

◆Blog Ranking◆

ランキング登録中です☆
↓↓のバナーを押してもらえると
嬉しいです♪(*゜∀゜*)ノシ


ブログランキング・にほんブログ村へ にほんブログ村 本ブログへ にほんブログ村 本ブログ 読書日記へ Twitterボタン
Twitterブログパーツ

◆Blog Pet◆

◆広告◆

Archive

Recommend

Recommend

Recommend

Recommend

Recommend

Mobile

qrcode

Selected Entry

Comment

  • ◆あの頃の誰か◆
    藍色
  • ◆そうだったのか!日本現代史◆
    Ashalynn
  • ◆マッチポンプ売りの少女〜童話が教える本当に怖いお金のこと〜◆
    Ashalynn
  • ◆マッチポンプ売りの少女〜童話が教える本当に怖いお金のこと〜◆
    マネー・ヘッタ・チャン
  • ◆そうだったのか!日本現代史◆
    Adansonian
  • ◆ニューヨークのとけない魔法◆
    あしゅ
  • ◆ニューヨークのとけない魔法◆
  • ◆ニューヨークのとけない魔法◆
  • ◆出逢いの大学◆
    あしゅ
  • ◆出逢いの大学◆
    千葉智之

Link

Profile

Search

Other

Powered

無料ブログ作成サービス JUGEM